● 道祖神について |
1-1)道祖神と地蔵 |
賽の河原は、この世とあの世の境を流れる三途の川の河原である。つまり、 道祖神の信仰からきていると考えられる。道祖神(塞の神)は、村境にあって 悪霊が外部から侵入してくるのを防ぐ神である。村外れの地蔵は、このような 神が地蔵に変化したものと考えられる。橋のたもとの地蔵も、川の両側、つまり 二つの世界の間に立つ地蔵である。峠の地蔵も同様である。地蔵は、もともとは 悪霊が村境を越えて入ってくるのを防ぐ役目を負っていたと考えられる。 そうだとすると、あの世とこの世との境に立つ地蔵、ここのような墓地の入り口に 立つ地蔵は、本来はあの世におもむいた死者がこの世に祟りを及ぼさないように するのが役目であったと考えられる。 生と死の間に境界をもうけ、もはや、死が生に侵入しないようにするのが、 楽天的な人生観を持ったわれわれ先祖の最も古い信仰であった。黄泉の国から 逃げてきた そこから生の中に入らないようにしたものである。さいの神の信仰も同じであろう 道祖神と習合することによって、地蔵は道祖神的な機能も併せ持つことになった。 たとえば、縁結びや子どもの運命を定めることは本来道祖神の役割であったが、 やがて地蔵も同じ役割を果たすようになった。 |
1-2)七渡の道祖神社 |
七渡の道祖神は長い間此処の地域の風景と住民になじんだ良い様子を見せてくれます。
この場所は、共同墓地の向かい側にあります。
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