忌中について

忌中と喪中について

 親族が亡くなった時、身内の者は喪に服しますが、これについて定めたものが、服忌(服喪)制度で「忌」とは死の穢れを忌むことを、「服」とは喪に従い、亡き人への追悼の気持ちを表すことを言います。服忌は、親族の関係によりそれぞれの期間が定められています。官公庁においては、配偶者、父母の場合7日、子の場合5日と忌引期間を定めていますが各地域の慣習に従っているのが現状です。
 神社本庁では、神職の服忌心得として忌の期間を父母・妻・子は10日間、7歳未満の子・祖父母・孫・兄弟姉妹については5日間としており、忌の期間は喪事のみに関わり、この期間が終了した時に祓を行うとあります。
 氏子の方の服忌については、地域に慣例がある場合は言うまでもありませんが、一般的に神道では50日祭(仏式では49日)までが忌の期間で、一年祭(一周忌)までが服の期間と考えられています。このため忌の期間を過ぎれば、神祭りを再開しても差し支えないと言われています。
 忌の期間中は、鳥居をくぐることを遠慮してもらうともいいます。しかし、やむを得ない場合、お祓いを受けて戴ければ良いでしょう。 

忌中と喪中の違い
忌中
古来より我が国では、『死』をおそれ、身近に無い方がいい事柄とし、「ケガレ(気枯れ)」と考えて
遠ざけて(忌んで)きました。忌中というのは、自分が「忌むべき状態にある」という事を言います。
この期間は、世間対しても諸事慎みます。この期間が過ぎると忌明けとなります。
喪中
喪中とは、悲しみを表す喪服を着ていることを言います。この期間は、亡くなった人との関係の深さ
により違うものです。通常最も長い喪の期間は一年ですが、悲しみは悲しみとて私たちは、平常の
生活をしなければなりません。家庭のまつり事も同様に平常通りであるべきです。

ご不幸があった時の神棚のまつり方

ご家庭やお身内にご不幸があった場合、一年間(人によっては三年間)、家庭の神棚に神宮大麻や鎮守様のお札をおまつりせずに過ごすように言われるが方ありますが、それは間違いです。
 忌が明けたら、お札をおまつりして、一日も早く神様のお見守りをいただけるようにすべきものです。

●お葬式を出した家  〜ご家族が亡くなった場合

Q・・神棚はどの様にするのですか?
A・・五十日まで正面に白紙を貼ります。忌明けしたら白紙を取ります。

毎日の生活を見守って力づけて貰う神様に、「不幸があった」うちの中をお見せしては失礼だという『遠慮』の意味で、亡くなったらすぐに神棚に白紙を貼ります。忌明けと共に平常の生活に戻りますから白紙を取ります。

Q・・お札はどうしたらいいの?
A・・五十日経って、忌が明けたらおまつりしましょう。

忌中の期間中にお正月を迎えた場合、年内にお札が届いた時には、そのまま保管して「忌」が明けてから古いお札と取り替えます。予め神社に連絡して、保管しておいて貰うこともできます。

Q・・鳥居をくぐれないのはいつまで?
A・・『鳥居をくぐる』というのは神社の境内に入ることを象徴的に言う言葉です。
   「忌」の期間の五十日間がこれにあたります。

●親戚に不幸ありがあった場合  

Q・・お札は新しくできますか?
A・・家のまつりですから、平常通りおまつりします。

兄弟や、実家の親などが亡くなった場合、自分自身は「喪」に入りますが、そのお宅は「忌中」にはなりません。平常の生活をしているわけですから、平常と同じく神棚をおまつりしましょう。

Q・・しめ飾りを飾ってもいいですか?
A・・ごく近親の方の場合以外はいつも通りかざります。

お正月のしめ飾りは、年神様を「家」にお招きするためのお飾りですので、亡くなった方への思いとは切り離して考えた方がいいでしょう。

(この度、神社の統括団体である神社本庁では、歴史的な習慣と現代の生活を検討し、忌服についての混乱を排するため、忌中についてこのように発表しました。


忌明清祓 (きあけきよはらい)〜お伊勢開き〜 
  忌の期間が過ぎ、通常の生活に戻るためのお祓いです。

身内に不幸があった場合は、神棚に半紙を貼って、毎日のおまつりを中断します。地方によって違いがありますが、四十九日が終わり、五十日に神職を招いて、忌明けのお祓いをし、神棚の半紙をはがし、神棚のおまつりを再開し、公に忌明けの通知をし、通常の暮らしに戻ります。なお、それまでの間は、神社へのお参りも遠慮します。
 神棚または床の間の前に神饌(しんせん)をお供えし、一家の平安、皆様の健勝を祈った後、家中の不幸(死)による穢れをお祓いします。仙北地方ではお伊勢開きと呼ばれています