館山市の「サイカチの木」 |
サイカチは「槐」、「皁莢」とも書かれます。サイカチはマメ科ジャケツイバラ亜科サイカチ属の落葉高木であり、本州、四国、九州に自生する日本固有種です。 しかし、館山市では、サイカチは元祿地震による大津波との関わりで「再勝」と呼ばれる意味が大きく響いているようです。元祿16年の元祿大地震は、野島崎沖を震源に、 館山市にも大きな被害をもたらしました。当時、海岸に近かった六軒町付近では、このサイカチの木に登って命を救われた」住民が数多くいたそうです。このことは千葉県発行の防災誌「元祿地震」にも掲載 されています。また、終戦直前には飛行場の滑走路延長計画や道路拡張計画などの障害を乗り越えて健在しているものです。 この「たてやま遺産」は住民の「守る会」の運動もあって市指定の天然記念物となったのです。
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【 歴 史 】 【所在地】館山市北条1754 【所有者】個人 高山氏 【形状・寸法】 市道を拡幅する際に、このサイカチの木を伐採せず保存を条件に、地主の高山氏から用地提供を受けた記録が館山市に残されています。このため、このサイカチの木は市道に張り出す形で残ってきたとのことです。高山氏は、なぜ保存を求めたのか、その記録では、1703年の元禄大地震の大津波で六軒町は一軒残らず津波で流出した。すでに大木となっていたこのサイカチの木にのぼった村人が助かり、命を守った大切な木だったと伝えられていたからだという。その後も、この老木は復興を見守り、人々の心の支えとなってきたのだろうと思います。 この記録は、北条六軒町における元禄地震の津波被災を伝える貴重な証言となっています。このサイカチの木は津波防災の生きた教材です。元禄地震津波で村人を守ったと伝えられる由来を表示し、市民が津波防災を考えるきっかけにしていきたいものです。 |
【 大津波から人命を救った木 】 この木はサイカチといい、樹高八m・胸高周囲四m・根元周り六.六mで、サイカチの持ち主、高山恒三郎家の古文書に「樹齢千年」と書かれています。マメ科サイカチ属 雌雄同株の落葉樹でカワラフジノキ、幹や枝にトゲがあることからカブトムシ等の別称があります。5月下旬頃総状の花序に黄緑色の小花をつけ、新葉は食用になります。 豆果はサポニンを含み、昔は石けん代わりに使われました。 漢字には、皁莢の字を用い、屋敷の鬼門(東北方面)封じとして植えられました。 戦後の市道拡幅工事で高山家は、サイカチを残すことを条件に用地を提供しました。以来地域の木として親しまれています。 元禄十六年(一七〇三年)十一月二三日、野島崎沖の海底を震源としてマグニチュード七.九~八.二の大地震が発生しました。ここ館山には高さ五.六mと推定される大津波が襲来しました。 この木にはその時、津波から逃れてよじ登った人を救ったとの言い伝えがあります。 再勝そして、災勝の木として大事にされています。 二〇一〇年十二月十八日 サイカチの木を守る会 と右掲示板には、記されています。 |