荒神(こうじん)・道祖神(どうそじん)

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 荒神(こうじん)・道祖神(どうそじん)


●荒神と竈神(かまどがみ)

 今では、台所から竈そのものがなくなったので竈神も祀られなくなってしまったが、かっては、ほとんどの家で竈神が祀られていた。

これは炉(竈)が家の祭祀の中心だったことの名残である。炉端における祭祀は古く、縄文時代の住宅遺跡からもその痕跡が見つかっている。

したがって、日本最古の信仰ともいえるかもしれない。

 しかし、竈神信仰の内容は一様ではなく、祀られる神もさまざまである。

 そして、荒神の信仰も複合的でその性質を一概にいうことはできない。一般に屋内で祀られる三宝荒神と屋外で祀られる地荒神に分けられ、

三宝神社が竈神と同一視される。

 三宝神社は、三宝という仏教的な名前がついているが仏典に典拠はなく、日本で作られた神格である。三宝は、如来荒神、麁乱(そらん)荒神・

忿怒(ふんう)荒神の三身あるためとする。祟りを招きやすい激しい神だが、正しく祀れば火伏せの霊験があり、家が栄えるという。

 地荒神は土地の神の一種で、その信仰の一部は地主神や道祖神の信仰と重なっている。


道祖神(どうそじん)

 道祖神はムラなどの境界に立って災厄の侵入を防ぐ神で、道陸神(どうろくじん)塞の神(さえのかみ)岐神(ふなどがみ)石神(しゃくじん)などとも呼ばれる。

 岐神については、黄泉から逃げ戻った伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が雷神が追ってこないように投げた杖が化成したものとしている。また、経津主神(ふつぬしのかみ)が岐神を

道案内として下界をめぐり天孫に従わない神を平定したという神話から、猿田彦神(さるたひこのかみ)も岐神・道祖神と同一視された。実際、道ばたの

石造道祖神の中には、猿田彦像を象ったものもある。しかし、古い形の道祖神は、男女の性器の形をしていたらしい。

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